船通勤から無人船流通網まで。自動運転やドローンだけではなかった物流の技術開発。
こんにちは、寝てタイガーです。
twitterでこんなツイートを見かけました。
某都知事が言い出し始めた『都心の運河を使った船通勤』が「遅い速度と長い乗降時間で輸送効率がとても悪く非現実的」と批判されているけど、
— tetsu (@metatetsu) July 27, 2019
貨物輸送では有望であり楽天など数社が「郊外や臨海地区と都心を結ぶ無人船物流網」を研究中なのはあまり知られていない pic.twitter.com/oAMIbwXDkO
通勤=電車という固定観念しかなかったので何が起こっているのか調べました。
某都知事の「都心の運河を使った船通勤」とは
7/24から8/2まで日本橋から勝どき間で舟を使った通勤の社会実験を行っています。
予約はこのサイトからできます。
乗船費用はアンケートに答えることで無料。
船は7時30分~9時までの通勤時間の間、15分間隔で運航されます。
日本橋~勝どき間は30~40分かかるとのこと。
某都知事は「舟運は江戸の時代からある古くて新しい交通手段。期間中多くの人に利用していただき、都民の足としてよみがえるきっかけになればいいと」語った。
今回のアイデアには賛否両論なのですが、ツイートの中で気になったのはもう1つのほう。
無人船流通網の現状
無人の配達といえば話題になったのはドローンによる配達でした。
無人船をつかった実験なんてされているのは初めて知りました。
物流業界の動向については三井住友銀行がレポートにまとめていました。
インターネット通販による配送の小口化・多頻度化、でも人手は不足しており、燃料費も上昇に転じています。
このような動きから物流業界の課題に対する取り組みとしては、現在中心となっているトラックによる陸上輸送から鉄道輸送に切り替えようとするモーダルシフトがあります。
モーダルシフトは鉄道への切り替えでしたが、海上輸送も活用しようという動きですね。
楽天
昨年3月の楽天のプレスリリースです。 ノルウェーのマリタイム・ロボティクス社との共同研究実施について合意。
USVは、陸上輸送に比べて最高速度は劣りますが、航行の自由と自律性によって継続的な運航が実現し、運航コストの削減と効率化が期待できます。また、トラック輸送ほどのインフラ投資を必要とせず、現状の港湾やドック、その他の既存の海上インフラを利用しての運用が可能です。操作においては、コンピュータビジョンと遠隔制御技術を活用することで、オペレーターは、より正確に状況を認識・把握でき、さらにAIによる制御支援によって人間の関与を減らすことで、人的事故のリスクの低減と、オペレーターの仕事量の軽減も実現できます。また、船舶はトラックより稼動寿命が長いため、物流チェーンの効率性が向上します。
マリタイム・ロボティクス社のプロダクトはこんな感じでした。
かっこいいですね。
既存の設備を利用できる点などドローンよりも実現可能性は高い気がします。
三菱総研のセミナー
今年の5月には三菱総合研究所が報道関係者向けにセミナーを開催しています。
2018年12月に、フィンランドで世界初の無人フェリーの実証が成功した他、国内でも楽天が独自の物流網構築のために無人船の開発に着手するなど、モビリティや物流を支える手段として無人運航船に注目が集まっています。特にわが国では少子高齢化に伴って、内航海運の船員減少が進んでおり、このままでは維持が困難となるのは明らかです。
そうした中、無人運航船は海運・水運の危機に対する解決策として期待され、その実現が社会経済にもたらすインパクトは年間1兆円とも試算されています。また、AI・ビッグデータを含む先端技術の活用が求められる無人運航船の開発は、イノベーションを誘発し「海洋立国日本」の産業競争力強化につながる可能性も秘めています。
無人船に関する記事結構でてきます。
日本郵船
日本郵船は自動運航船の実現に向けた日本発の実証事業に参加。
ロールスロイス
ヨーロッパでは、EUが支援する研究開発プロジェクトの取り組みの1つとして無人船の研究開発に取り組んでおり、エンジン開発はロールスロイスが手掛けています。
一般に大型貨物船には、船長を筆頭に航海士や機関士、乗組員の食事をつくる調理員など20人前後の船員が搭乗することが多い。船員の人件費は、船舶管理費の半分弱と船の航行にかかる費用の大きな部分を占めるといわれる。無人船が実現すれば、この費用を削減できると同時に船員の居住空間の分だけ貨物積載量をさらに増やすことも可能になる。もちろん、国際的な法整備などハードルは少なくない。だが、海上輸送を手掛ける企業にとっては一石二鳥の効果があるのだ。
完全にSF映画の世界になってきました。
陸上からの遠隔操作と自動航行を組み合わせたハイブリッド型を想定しています。
やはり課題はあるようで。
記事によると課題は以下の3つだそうです。 1. 複数センサーの融合 1. 制御アルゴリズム 1. ネットワークの接続性
サムスン重工業とAWS
サムスン重工業はAWSと提携して船舶の自律運航プラットフォームを開発。
中国ベンチャー企業
同社の創業者兼CEOである張雲飛氏によると、自動運航船の主要技術について、100以上の特許を有しているという。
まとめ
自動運転、ドローンなどが話題になりますが、目立たないところで海上輸送の自動運航の技術も着実に成長しているようです。