老後はテレイグジスタンスでロボットの体を手に入れたい。
こんにちは、寝てタイガーです。
昨年ALSや頸椎損傷などの障がいを持つ方が操作する分身ロボットが働くカフェのニュースを目にしました。
このカフェの最大の特徴は、店員がすべてロボット「OriHime-D」であること、それらロボットを遠隔操作しているのが寝たきりや、難病などで外出することが困難な人たちと言う点だ。
ロボットや遠隔操作のシステムを開発したのはオリィ研究所。ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者であっても、視線を動かして文字が入力できる操作方法「OriHime-eye」を開発、移動機構を持つロボットとその操作方法を確立することで、寝たきりの人でもロボットを操作してテレワークやアバターワークを可能にした。アバターワークとは、テレワークに加えてアバターロボット(遠隔操作ロボット)を使って移動や肉体を動かす労働をさす、という。
このニュースを見た時は「こんなことができるようになってるんだ」という感想だったのですが、最近「テレイグジスタンス」というキーワードを知りロボットカフェとつながったので、この「ロボットの遠隔操作」について調べてみました。
テレイグジスタンスとは何か?
Wikipediaによると、テレイグジスタンスとは、
バーチャルリアリティの一分野であり、遠隔地にある物(あるいは人)があたかも近くにあるかのように感じながら、操作などをリアルタイムに行う環境を構築する技術およびその体系のこと
だそうです。
この説明だけだと、今ひとつイメージがつかないので、動画を探してみました。
「遠隔地の自分の分身ロボ、アバターに自分の感覚を憑依させ動かすことで、あたかもそこに自分がいるかのような感覚になる」という分かりやすい説明をされています。
動画の中でロボットがカップに入っているビー玉を移し替えるシーンがあるのですが、人間の方はもちろんカップを持っていません。 練習なしの一発勝負でこれができるということは、かなり感覚のシンクロ率が高いということでしょか。
テレイグジスタンスの最中は * 生身の自分は自分なんだけど自分ではない感覚 * ロボットの体は自分ではないんだけど自分のような感覚 この2つの感覚が同居するので不思議な感じがするんでしょうね。
ロボットアニメの主人公と登場しているロボットってこんな感じなんだろうか。
テレイグジスタンス提唱者は東京大学の舘 暲(たち・すすむ)さん
テレイグジスタンスの提唱者の舘 暲(たち・すすむ)さんのインタビュー記事です。
1980年に世界で初めて提唱されたということで、やっと技術や時代が追いついてきた感があります。
触覚をどのように再現しているのか仕組みも説明されていました。
TELESAR V (テレサ・ファイブ)という最新のテレイグジスタンスシステムでは、この触原色原理により、テレサの指で物体を触り、その時に生じる、力と温度と振動を計測して伝送し、人間の指先につけた触覚ディスプレイで力と温度と振動を再現して、布などの細やかな触感を伝達することができました。2012年のことです。
2017年に起業された会社がテレイグジスタンス株式会社です。
少しロードに時間かかるかもですが、トップページの動画はぜひ見てほしいです。
こんな未来がきたら楽しそう。
JST理事量記者説明会のテレイグジスタンス資料
KDDIが出資。民間月面探査レースの次のテーマはテレイグジスタンスロボット
engadgetの記事によると、
- テレイグジスタンス社にはKDDIが出資している
- 民間月面探査レースを手掛けるXPRIZE財団の次のテーマはテレイグジスタンスロボット
だそうです。
「XPRIZE財団」という名前だけ聞くと?ですが、日本チーム「HKUTO」が参加した民間月面探査レースを手掛けていたのだXPRIZE財団です。
民間月面探査レースの時はGoogleがタイトルスポンサーになっていましたが、テレイグジスタンスロボットではANAがスポンサーとなっています。
実は、冒頭のロボットカフェにもANAが参画しています。
XPRIZEの賞金レースの方は、2018年3月12日から4年間の期間で行われるので、決勝は2022年です。 賞金は約10億6500万円。
2018年のテレイグジスタンス動向
昨年2018年のテレイグジスタンス関連の情報がいくつか出てきたので時系列順にまとめます。
遠隔操作ロボットの量産型プロトタイプの開発
量産型ロボットが動いている動画がこちら。
結構指先とかスムーズに動くんですね。
小笠原諸島で観光資源のロボット旅行体験「TELEXISTENCE TRAVEL」
「今回は4G LTE回線で1,000kmをつなぎましたが、まだ一部のお客様には酔いを感じるくらいの映像伝送遅延があります。2020年をめどに5Gが商用化されれば、遅延は大幅に改善され、ユーザーの体感上ほぼ影響のないレベルになります」
エアバスやKDDI系のファンドから数十億円を調達
5Gが実現する次世代テクノロジー「テレイグジスタンス」とは?
#遠隔地の体験共有する”分身”ロボットの可能性 旅も仕事も「今すぐここで」
まとめ
5Gを利用した高速通信で、実際の映像と伝送遅延なく遠隔地でも同じ映像をVR技術で見ることができる。 さらに遠隔地で体験した「触覚」をも再現できる技術。 老後で体力が衰えても、テレイグジスタンスでロボットの体を動かして体験ができるようになれば、 脚が動かなくなっても、手が動かなくなっても海外旅行を体験することができるかもしれません。 入院したことがある方は分かると思いますが、病室にずっとこもっていると気が滅入ってきますから、 旅行気分が味わえるのは非常にいい気分転換になると思います。 これが実現したら様々な分野に応用されそうです。